読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

指揮者だって人間だ

晴れた日には洗濯を。

ジョブズに影響を与えたビートルズの執念

音楽 考え方

再びジョブズの伝記からの引用です。
連続ですみません、だって面白いんだもの。

ジョブズが彼の哲学である完璧主義を構築するきっかけとなったビートルズのテープについてのジョブズの言葉がなかなか興味深いものでした。
テープはビートルズが名曲「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」を何度も修正しながらセッションを繰り返し録音する様子を収めたものです。

(テープを聞きながら)
いま、ちょっとやり直したのに気づいたかい?
良くなかったから、戻ってやり直したんだ。
このバージョンは全然洗練されていない。
これを聴くとビートルズも単なる人間だったんだって思うよ。
他の人でも、このくらいならできるはずだ。
曲を考え、書くことはできなくても、このくらいの演奏ならできる。
でも、彼らはここで止まらない。
みんな完璧主義者で、とにかく何度も何度もやり直すんだ。
このことに、僕は30代で強い印象を受けた。
彼らがどれほど真剣に取り組んだのかが分かってね。

最初のバージョンは誰でもできる、というコメントがいいですね。
ジョブズ自身のエピソードを読んでいても思うのですが、天才と凡人を分け隔てるのは執念なのかなと思いました。

マジカル・ミステリー・ツアー

マジカル・ミステリー・ツアー

我々のような普通の人間の感性だと、天才って生まれ持っての才能がほとんどで、驚くべきアウトプットは第一声で生み出されるものなんじゃないかというイメージがあります。
Mac のようなイノベーションを重視したプロダクトはそうですし、クリエイティビティあふれるものはなんだって突然変異で生まれてくるように見える。
野球で言えば代打で呼ばれてホームランを打つようなスーパーヒーローのような超人みたいな存在なわけです。

世に言うスーパークリエイターってみんなそのように驚きの発想を生み出しているのかと思えるのですが、この点について糸井重里さんの面白い言葉がありまして。
インタビューだったか何かで語っていたのですが、糸井重里さんのキャッチコピーの作り方についてです。
糸井さんのコピーって「おいしい生活。」とかすごく心に残ってなおかつ新しい感のあるクリエイティビティを煮しめたようなすごいものですが、糸井さんはコピーを作る時に大量の候補を出すんだそうです。
その大量にある候補の中から「これかなあ」と言って決めるとか。
なんとなくですが、糸井さんだったらうーんって2時間くらいかけて考えて「これだー!バーン!」みたいに絞り切った1個だけを出してくる、みたいなイメージありませんか?
これを知った時、あ、そんな普通の感じなんだと思ったことをよくおぼえています。

私たちは天才やスーパーヒーローを自分とは別の存在と思い込もうとします。
その方がストーリー性があって面白いし、自分と違う生き物だと思い込むことで安心出来ますからね。
でも天才の所業って意外と地味で、常にホームランを出すわけではなく、小さなヒットを積み重ねていくことが素晴らしい業績につながるのかもしれません。
ただ、執念がすごい。
自らの持つ理想像が高くなおかつ努力を惜しまない。
その高みに到達できるはずだという自信もプライドも持っている。
そういう人たちが納得行くまで努力や練習を積み重ねることで、打率がおそろしくあがったり、素晴らしいアウトプットを出せるようになるのかもしれません。

ジョブズの本を読むとわかるのですが、素晴らしいアップルの製品って試行錯誤の末に生まれたものが多いようです。
正確に言うとジョブズのダメ出しを受け続けることで洗練されて行ったというか。
iMac も発表直前にCDドライブがトレイ式であることが発覚し、「ローディングスロットにしろ!!」とジョブズが激おこになったという話がありましたが、とにかくジョブズは一発でOKを出さないようです。
粘って粘って徹底的に詰める。
ビートルズのエピソードを知って、そのジョブズの哲学の原点が分かった気がしました。
理想と自信と執念。
天才にはそれが不可欠なのでしょう。


スティーブ・ジョブズ(1)

スティーブ・ジョブズ(1)

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

広告を非表示にする