指揮者だって人間だ

晴れた日には洗濯を。

「安定の面白さ」のつまらなさ

いまさらですが、三谷幸喜のステキな金縛りをみました。

期待通り面白かったです。

が、期待通りすぎてつまらなかった

ちゃんと面白かったけど全てが期待の範囲内でつまらなかったんです。

安定感はあった。

ちゃんと笑えたしホロリと泣けた。

だけど全て「うん、こんな感じだよな三谷幸喜って」という期待を裏切らない良さの範囲内であり、驚きや感動はありませんでした。

 

三谷幸喜 創作を語る

三谷幸喜 創作を語る

 

 

よく期待値のことを「ハードル」と表現しますが、面白さの評価って自分の期待との相対値なんですよね。

自分が想定していた面白さより上か下かで面白さの評価って決まると思います。

ステキな金縛りだって、私が初めて見る三谷幸喜の作品であればきっと面白かったと思うのです。

そして、期待値とまったく同じだった場合もそれは「つまらない」に入ります

例えばサザエさんを毎週「うわー面白いなー」と見る人がいるでしょうか。

サザエさんを見る人はあの安定感のサザエさんを求めており、制作側もそれを裏切らないようなクオリティを毎週提供する。

それって満足はするけれど、決して面白くはないと思うのです。

もしかしたら一部のサザエさんマニアは「今週の作画監督はあの人なのにいつもと画風が違う」などと楽しんでいるかもしれませんが、それは自分の期待値との変化を感じ取っているからであり、期待との差がない人にとっては安心感はあるけどつまらないものです。


安定感を求めるか、驚きを求めるかはコンテンツによって異なると思います。 

ヤマをかけていちかばちか100点を取るのではなく確実に70点を目指すコンテンツもあるでしょう。

お金をかけすぎてしまったハリウッド大作とかもそうでしょうし、サザエさんもそうです。

豪華キャストを投入してテレビCMをバンバン売った三谷幸喜の映画も、「失敗するなよ」というプレッシャーを与えられた結果そうなっているのかもしれません。

70点を取ろうとするコンテンツは期待値を下回るのを恐れているのですが、期待値と全く同じであればつまらないですし、サザエさんのように食卓のデフォルトくらいの地位にまで上り詰めないといつか必ず飽きられます。

期待通りのものを作るのでは不十分なのです。

 

個人的には100点か30点かわからない映画や本の方がドキドキしますし、見てみたいです。

ハズレを引いて裏切られるかもしれませんが、それも楽しいじゃないですか。

「これくらいの出来かな」と期待して「これくらいの出来だったな」と映画館を出るほど無駄なことはないと思うのです。

見たことないものが見たい。

そう思う毎日です。

 

 

 

広告を非表示にする