指揮者だって人間だ

晴れた日には洗濯を。

プライドが高い奏者とやっていくためにやってた3つのこと

指揮をしていると、プライドの高い奏者の扱いに困ることがあります。
いろいろと失敗を繰り返した結果、こうすればうまくいったよというコツがありましたのでまとめてみました。
楽団に限らずプライドが高い部下のマネジメントにも当てはまる話ではないでしょうか。

 



まず、優秀な人には大きく分けて次の2種類のタイプがいます。

優秀で謙虚な人

  • ミスをした時に「ああ、ミスってしまった。絶対に次はミスるもんか」と考える
  • 前提条件として「自分はそれほど演奏が上手ではない」と思っている
  • ミスの原因が自分にあると考える


中途半端に優秀でプライドが高い人

  • ミスをした時に「いまミスったのはたまたまだ。ホルンがミスをしたのに気を取られた」と考える
  • 前提条件として「自分は演奏がそこそこ上手」と思っている
  • ミスの原因を自分以外のところから探し出す


今回記事にしているのは下のようなタイプの人との付き合い方です。

プライドが高いからミスを指摘するとすぐふてくされる。
うかつなことがいえないから腫れ物に触るように扱ってしまう。
一緒に演奏したり仕事をするとなると悩みの種となること必至です。

私もかなり悩まされたことがありましたが、何度も何度も接するうちにだんだんと彼らとの付き合い方が分かるようになってきました。
以下にそのポイントをまとめてみます。

 

ホメすぎるのは厳禁

ありがちなのは、とにかく無条件にホメてしまうことです。
プライドの高い奏者の機嫌を損ねたくないので、大していい演奏でもないのに
「うまいね!」「いい音ですね!」などと連呼する指導者もみかけます。

これ、実はほとんど効果がありません。

上の「中途半端に優秀でプライドが高い人」の特徴をもう一度見直してほしいのですが、こういう人たちはえてして「自分は演奏がそこそこ上手」と思っています。
うまくて当たり前と思っているのです。
映画監督が主演女優に「顔小さいね!」「足細いね!」とは言いませんよね。

ミスしたあとに「うまいですね!」などとホメてしまうのは最悪。
「この指揮者は全然自分のことをわかっていないな…」と信頼がガタ落ちです。
信頼を得るのには時間がかかりますが、失うのは一瞬です。
ホメすぎていいことは何もありません。

「ホメる」ことより「認める」こと

ホメてはいけないのならどうすればよいのか?
簡単です、認めればよいのです。

ホメることと認めることは似ているようで全く違います。
プライドの高い奏者であっても、誠実に能力を認めることで信頼関係が生まれてきます。

具体例をあげましょう。
以下のような言い方は相手を認めたアドバイスです。

  • 「難しいソロだ。でも君ならできるはずだ」
  • 「1年前のあの曲の低音よかったよね。あんな感じで吹いてほしいな」
  • 「ここはクラリネットの見せ場なんですよね!精一杯いい音色でお願いします!」

どうでしょう?
言われてそこまで嫌な気はしないんじゃないでしょうか。

認めるということは実は日ごろの観察に基づいた行為です。
部下を日ごろからきちんと観察できていない上司はうまく部下を認めることができず、とんちんかんな評価をしてしまいます。
信頼関係を築くにはまず地道な一歩として部下をよく観察し、ここぞというところで認めてあげましょう。

プライドを傷つけない物言い

最後はコミュニケーションの取り方です。
同じことを伝えるにも、プライドを傷つける方法と傷つけない方法があります。

ネガティブなことを伝えたいときには、基本はポジティブのサンドイッチを意識します。
たとえばある人がテンポより遅く吹いていた場合、「遅れてるよ!もっと合わせて!」というのもよいのですが、以下のように言い換えるとプライドを傷つけません。

「いい音色ですね!そのようなイメージでください。
 少しテンポがばらけるのでまわりとあわせてみてくれますか?
 あと1,2回続けてやれば合うと思います。ではもう一回!」

ネガティブをポジティブで挟んでいることがわかるでしょうか?
こうすることで言葉のトゲが丸くなり、指摘がスッと心に入ってくるようになります。
単純なことですがちょっとした気の使い方で印象はガラリと変わります。

また、ネガティブなワードを言い換えることも大事です。

  • 「遅れている」→「まわりと合わせてみて」
  • 「もっと優しく吹いて」→「優しく吹くとどのような感じになりますか?」

これは「あなたが悪い」的なワードを「技術力の高いあなたならできるはず」ワードに置き換えるのがポイントです。
プライドが高い人たちの自尊心を上手にくすぐりましょう。

プライドの高い人たちと付き合っていくために

はじめに書いた通りプライドが高くて成長が止まっている人はたくさんいます。
逆に言えばこのような人たちはまだまだ伸びしろを蓄えた、金の鉱脈とも言えるわけです。
部下の能力を引き出して、チーム全体の利益を向上させるのも上司としての役目ですね。

 

 

 

あなたが部下から求められているシリアスな50のこと

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